2008年10月25日土曜日

電脳コイル

本放送時に見逃してしまっていたので、『電脳コイル企画書』の発売に合わせて、DVDにて視聴。現在、第3巻、第8話まで観終わりました。

  • 文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞
  • 第39回星雲賞受賞

などなど、各受賞を示すまでもなく、2007年に放送された作品の中でも評価の高い作品です。
本放送時に、リアルタイムで視聴できなかったのは残念ですが、あらためてDVDで一気に観始めてみると、電脳メガネにはじまるガジェットや設定にはじまり、主人公たちのキャラクタの描写の丁寧さ、ぐいぐいと視聴者をひきつけるストーリーと伏線など、なるほど、さまざまな業界で話題になったのも頷けます。

特に、AR系の研究者やITライターなど、電脳コイルの世界で実現された拡張現実の表現やアイデアから触発されたエントリを見つけることができます。


映像作品には、未来の生活・テクノロジーの使われ方について、生き生きとしたイメージを描き出す力があり、研究テーマのコンセプトワークなどにも強い刺激を受けることも多く、これらのコンセプト・ビジョンの提示とプレゼンの手法としての企画書はとても興味深く見ることができました。「なにがうれしいのか?」「世の中をどう変えたいのか?」といった論旨を説得力高く伝えるための手法としてのイメージボードなどは、手法として参考になったかなと思います。

本編の中では、電話を使うシーンで(某保険会社のTV CMのように)手で受話器の形を作って話をすることが表現されていますが、メタファーとして受話器の形を手で作るというインタフェースデザインは利用者にとっては受け入れやすく自然な振る舞いとしてよくできているなと感じました。

最近の携帯ではBluetoothなどでハンドセットを使って電話をすることもできるし、海外の街中では、そのようなハンドセットを耳にかけて電話をしているビジネスマンなどをよく見かけることもありますが、自分の中ではハンドセットで電話をするという行為には、(便利なのかもしれませんが)身体的な違和感を感じます。電話会議などでは、スピーカーホンとして、普通に会話をすることもありますが、そのときにはもはや「電話をしている」という意識ではなく「会議をしている」という認識だから気にならないのかもしれません。

今年のCEATECでは、DoCoMoブースにて、端末が2つに分離する「セパレートケータイ」を参考展示
していましたが、新しい使い方としては、便利な面もあるのかもしれませんが、電話としては電脳コイルでの手で受話器の形を作るように「電話をかける」という行為としてのメタファーは、ななかなか変わらず、新しい使われ方は広く受け入れられないかもしれません。

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